セルマーの歴史
1819〜1939年
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- 1819
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父ジャン–ジャックや祖父ヨハン–ヤコブ・セルマー(1749年生まれ)と同様に軍楽隊長となるシャルル–フレデリック・セルマーが誕生。
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- 1840
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アドルフ・サックス(1814年ベルギーのディナンに生まれ、1894年パリに没す)が「サクソルン」と名付けた新しい低音楽器を製造。
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- 1842
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アドルフ・サックスがパリに工房を設立し、さらに1848年には191人の社員を雇用するまでに拡大し、1843年から1860年までの間に20,000本の楽器を生産。
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- 1846
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アドルフ・サックスが新しい木管楽器を製作し、サクソフォンと名付ける。
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- 1880
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シャルル・フレデリック(1878年没)の息子アンリ・セルマーがパリ音楽院を卒業し、22歳でギャルド・レピュブリケーヌ・オーケストラに入団。彼はまた、コンセール・ラムルー管弦楽団の初代クラリネット奏者で、またパリ歌劇場管弦楽団でも演奏した。
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- 1885
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アンリ・セルマーがセルマー・パリ社を創業し、リードとマウスピースの生産を開始。1898年には、アンリとアレクサンドルがパリのプラス・ダンクールに工房を構える。同年、弟のアレクサンドル・セルマー(1864年生まれ)がボストン交響楽団のクラリネット奏者となる。
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- 1904
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アンリはアメリカのセントルイス万博に初めてクラリネットを出展し、金賞を受賞。
この時期2年間アレクサンドルはシンシナティ交響楽団でセルマー・パリ社のクラリネットを愛用し、アメリカでセルマー・クラリネットの評価を大いに高めた。
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- 1905
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ロベール社でクラリネットを製造していたポール・ルフェーヴルとその息子アンリがセルマー・パリ社に入社。
アンリ・セルマーがフルート・メーカーのバルビエ社を買収。
- 1906
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アレクサンドル・セルマーがニューヨークに会社を設立し、セルマー・パリ社のクラリネットの販売を開始。これが、後のセルマーU.S.A社となる。
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- 1910
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このころには非常に多種の楽器やアクセサリーを生産していたことがカタログに記録されており、ポール・ルフェーヴルの次男モーリスもセルマー・パリ社に入社し、生産拡大に貢献。
アレクサンドルは、アメリカで立ち上げた会社を弟子のジョージ・バンディに譲渡し、フランスへの帰国を決意。
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- 1912
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40人の技術者が勤めるガイヨンの工場を設立。
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- 1919
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マントの工場を設立し、ともにアンリ・セルマーの娘婿であるモーリス・ルフェーヴルとアンリ・ルフェーヴルが運営にあたった。
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- 1922
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1921年12月31日に、最初のセルマー・サクソフォンである「シリーズ22」アルト・サクソフォンが完成された。これは「モデル22」に継承され、Cメロディ・テナー・サクソフォンを含むすべてのサクソフォン・ファミリーがそろえられた。
ギャルド・レピュブリケーヌ吹奏楽団のサクソフォン奏者フランソワ・コンベルがセルマー・パリ社のテスターとなる。
セルマー・パリ社は50人の社員を抱えるに至り、サクソフォンの月産は30本となった。
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- 1923
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マントの工場を拡張し、リード工房1ヶ所、サクソフォン工房2ヶ所が建設された。
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- 1926
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月桂樹の輪に「アンリ・セルマー・パリ」というアルファベットを組み合わせた新しいロゴが考案される。このロゴはセルマー社の証として、今日でも楽器に刻印されている。
サクソフォンの「モデル26」を発表。
セルマー・パリ社の社員が136人となる。
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- 1927
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メタル・クラリネットを発表。
ジュネーヴの万博でグランプリを受賞。
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- 1928
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「モデル28」を発表。
この時期、クラリネット、バッソン、フルート、サクソフォン、オーボエ、イングリッシュホルンなど多岐にわたる楽器を生産。
セルマー・カナダ社を設立。
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- 1929
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アドルフ・サックス社を買収し、セルマー・パリ社は唯一のサクソフォンの正統な継承者となる。
セルマー・ロンドン社を設立。
12個のアメジストをあしらった9,909本目のサクソフォン記念モデルをバルセロナ万博に出展。
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- 1930
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従業員が175名になり、楽器は月産300本となった。
「シガー・カッター」サクソフォンを発表。
輸出が急速に拡大し、全生産品の80%が国外用とされた。
リエージュの万博でグランプリを受賞。
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- 1931
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金管楽器メーカーの「ミルルー」を買収。
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- 1932
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弦楽器メーカーのマリオ・マッカフェリ社と提携し、ギターの生産を開始。
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- 1933
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ハリー・ジェームスが愛用した後の「バランスド」モデルとして知られる「アームストロング」トランペットを発表。
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- 1934
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「ラジオ・インプルーヴド」サクソフォンを発表。
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- 1936
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サクソフォンに革命をもたらしたとも称される「バランスド・アクション」を発表。
この年のカタログからはセルマー・パリ社の技術革新と発展の様子が見て取れ、クラリネット、オーボエ、イングリッシュホルン、バッソン、フルート、サクソフォンそして金管楽器が発表されている。
モーリス・ルフェーヴルが死去。
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- 1937
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モーリス・セルマーの長男であるジャン・セルマーと、アンリ・ルフェーヴルの娘婿であるアンドレ・クレルジョが、ポール・ルフェーヴルと共に入社。「バランスド」Cメロディ・テナー・サクソフォンを発表。